腕時計の基礎知識「機械式」と「クォーツ式」の違いは？

腕時計には内部構造の違いにより主に３つのタイプに分類できます。
１つはゼンマイを動力をする「機械式」と電池やソーラーエネルギーなどの電気で動く「クォーツ式」そしてゼンマイ駆動とクォーツ式の水晶振動子を持つ「スプリングドライブ式」を開発です。
それぞれの特徴やメリット、デメリットを紹介します。

機械式

巻き上げたゼンマイが元に戻る力を利用して動いているのが機械式時計。
時計の内部構造（ムーブメント）は電池などを使用せず全て機械部品だけで構成されています。

機械式のメリット
全てが機械部品で構成されているため、メンテナンスをしながら長年使い続けることができます。

機械式時計のデメリット
クォーツに比べて時間に誤差が生じやすいので、時刻を調整する必要がある。
３〜5年置きにオーバーホール（時計を分解して掃除やメンテナンスをすること）をする必要があるため費用がかかる。
高級な時計や複雑な時計ほどオーバーホールにかかる費用は高い。

さらに機械式時計には「自動巻き」「手巻き」の２種類があります。

自動巻き

「自動巻き」とは腕の動きをエネルギーに変えて動き続ける時計のことです。
ローターが自動でゼンマイを巻き上げてくれます。
普段身につけていれば、ゼンマイが自動で巻き上げられるためいちいちリューズを巻く作業をしなくていいのが魅力で、現在の機械式腕時計は自動巻きが主流となっています。

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手巻き

「手巻き」とはリューズでゼンマイを巻き上げることにより時計が動く仕組みです。
機種ごとに異なりますが、１〜２日ごとにリューズを巻き上げる必要があります。
自動巻き機構が無い分、自動巻き時計より軽く、厚みも薄くなります。
ムーブメントの構造が自動巻きよりシンプルのため故障の確率も低く、オーバーホールの費用も抑えられるのがメリットです。

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クォーツ式

ゼンマイの代わりに、電池や太陽光を動力源とし水晶振動子を高速振動させて針を動かします。
クォーツ式の時刻表示は２種類有り、機械式と同様、時分針の位置で時刻を読み取るアナログ表示、液晶画面にじ液晶表示の２種類

GPS、電波受信ウォッチが欲しい方はクウォーツ式の一択。

クォーツ式のメリット
大量生産が可能なため、機械式よりも価格が安い。
永久カレンダーなど機械式だと400万以上するような機能もクォーツなら30万以内で購入できる。
電波ウォッチやGPS時計なら時間がずれることはほぼ無い。

クォーツ式のデメリット
時計の中の電子回路が寿命を迎えた際、交換部品が生産終了となっていたら修理は不可能。

電池式

1969年にセイコーが世界初のクウォーツ式腕時計を発売しました。
当時と同様に一般的なのがボタン電池を使用したものです。
生産コストを抑えて大量生産できるためコストパフォーマンスは機械式に比べて抜群です。
電池交換も数年から5年に一度で大丈夫なためメンテナンスの手間もほとんどかかりません。
機械式のテンプが毎秒5〜10振動に対して、クォーツ式は毎秒3万2786振動。機械式より圧倒的な高精度で低価格モデルでも時間の誤差がほとんど生じないのが魅力です。

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ソーラー式

光を文字盤のソーラーパネルで受けて電気に変換し、それを内部の２時電池に蓄えて駆動するのがソーラー式時計です。
直射日光なら５分程度で1日分の電気を蓄えられます。
電池交換の手間がなく、GPSや電波時計との親和性も高いです。
ソーラーには高い技術力が必要なため電池式に比べて価格設定が高いです。

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スプリングドライブ式

1999年、セイコーは世界で初めて機械式のゼンマイ駆動とクォーツ式の水晶振動子を持つスプリングドライブを開発しました。
ゼンマイが解ける力を発電ローターに伝達。ここで生み出された電力で水晶振動子を振動させ、輪列機構の動くスピードを調整します。
1982年に開発がスタートしてから約20年の歳月をかけて商品化された、セイコー独自のスプリングドライブは、機械式とクオーツを融合した第3のエンジンと呼ばれる究極の時計です。

スプリングドライブ式のメリット
動力源は機械式のゼンマイ駆動、精度の制御はクォーツ式の水晶振動と２つの長所を併せ持っています。電池交換の必要がなく、クォーツと同様の正確さを有します。

スプリングドライブ式のデメリット
水晶振動体は数十年先には交換が必要。
テンプが無いため「チチチチ・・・」という機械式時計特有の音は無い。

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